日時：

2017年7月25日（火）18:00～19:00

場所：

最先端医療イノベーションセンター棟1階 マルチメディアホール

講師：

中山 雅敬 氏
Group Leader
Max-Planck-Institute for Heart and Lung Research Laboratory for Cell Polarity and Organogenesis

要旨：

基礎研究には疾患の成因や病態診断治療について実験的に研究を行なうDisease-Oriented Research (DOR) と疾患を意識しないNon-Disease-Oriented Research (NDOR) があります。
過去数十年のライフサイエンスの発展にともない、様々な知識が蓄積し、技術は大きく進歩しました。それら最新の知見に基づき、私の研究室ではDORをPatient Oriented Research (POR)につなぐのではなく、NDORをPORにつなぐ研究を行っています。
本プレゼンテーションでは当研究室の最近の成果から、血管肉腫と動脈硬化症について全く新たな知見を紹介します。血管肉腫については細胞極性を制御する因子aPKCとFoxO transcription factorに着目し、発生過程の解析から得られた成果より、全く新しい病気のメカニズムを明らかにしました。またその知見から極めて有力な予後予想因子を明らかにし、新たな治療法を提案しています。動脈硬化性疾患については同じく細胞極性制御因子PAR-3に注目し、血流と血管炎症の関係について、これまでの常識に反する知見を得ていますので、紹介したいと思います。