CoMIT棟
第7回アカデミア臨床開発セミナー
9月28日(木)に、最先端医療イノベーションセンター棟1階 マルチメディアホールにて、
「第7回アカデミア臨床開発セミナー」が下記のとおり開催されます。
是非多くの方にご参加いただければ幸いです。
日時:
2017年9月28日(木)17:30~19:00
場所:
最先端医療イノベーションセンター棟1階 マルチメディアホール
演題:
婦人科腫瘍領域における海外共同臨床試験
講師:
埼玉医科大学国際医療センター 婦人科腫瘍科教授 藤原 恵一 先生
要旨:
婦人科腫瘍の発生頻度は、いわゆる5大癌と異なり、中途半端に多い(少ない?)。そのため、新薬開発を目的とした臨床試験の優先順位は低いが、希少癌のようなオーファン指定にもならず、大規模比較試験は要求されてしまう。この傾向は我が国だけではなく世界中共通の問題点であった。
そのため、婦人科癌領域では、アカデミアレベルでの国際共同試験が1990年代後半から盛んに行われるようになった。一つは、Gynecologic Oncology Group (GOG)、もう一つがGynecologic Cancer Intergroup (GCIG)である。
GOGは米国National Cancer Institute (NCI)参加の婦人科癌に特化した臨床試験グループであるが、我々は、2002年からGOGに参加しこれまでに650人以上の日本人症例を登録し、新しいエビデンスの構築に貢献した。中でも2つの臨床試験を我が国では医師主導治験として行ない、その1つは薬事承認にこぎつけている。GOGは現在NSABP, RTOGと合併しNRG Oncologyと改名し他癌腫の共同試験も行うようになった。それにともない我が国の体制もNRG Oncology-Japanとして多科への試験支援を開始した。
GCIGはヨーロッパ、カナダを中心とした婦人科癌臨床試験グループのネットワークであり、現在、米国、アジアも含めて29の臨床試験グループがある。日本からは2グループが参加しており、海外主導の臨床試験に参加するとともに、日本が主体となった臨床試験を2つ走らせた。その1つは、我が国では先進医療Bとして行っている、腹腔内化学療法の有用性を検証するランダム化第3相比較試験であり、昨年654例の症例登録を完了した。
これら海外との共同試験は当然ICH-GCPに準拠して行っているが、それを可能としたのは、コーディネーティングセンターを中央におき、司令塔として研究者、施設を管理するシステムを取り入れたからである。またそれを可能とした人材が存在したことが最も重要なファクターである。我々の経験(苦労話)を披露しながら、海外との共同試験のあり方を議論させていただければ幸いである。
主催:大阪大学医学部附属病院(臨床研究中核病院)未来医療開発部
後援:大阪大学医学部附属病院 国際共同臨床研究実施推進事業
お問い合わせ:大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部
Tel : 06-6210-8414
seminar@dmi.med.osaka-u.ac.jp