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セミナー

2017.6.5 [mon]

第13回 最先端医療イノベーションセンター
定例セミナーを開催いたしました。

5月31日(水)に整形外科学を中心とするプロジェクトを担う中村憲正先生のお世話で、第13回最先端医療イノベーションセンター定例セミナーを開催いたしました。今回のセミナーは、「スキャフォールドフリー滑膜間葉系幹細胞由来三次元人工組織を用いた軟骨再生-基礎研究から臨床応用まで-」と「同種滑膜間葉系幹細胞由来三次元人工組織(gMSC®)移植による膝軟骨再生治療の治験に向けた取り組み」について、座長の中村先生による進行のもと、スポーツ医学の下村和範先生と株式会社ツーセルの阪上守人氏にご講演いただきました。

下村先生からは、自己修復能に乏しいといわれる軟骨の新たな再生治療法の確立を目指し行われている、スキャフォールドフリー滑膜間葉系幹細胞由来三次元人工組織(TEC)の開発及び臨床研究までの経緯について、これまでの研究データを詳しくご説明いただきました。研究データによると、TECを用いた治療は軟骨損傷に関しては良好であることから、半月板の修復、成長軟骨の修復等の将来的な可能性にも触れられ、応用展開への期待を伺わせる内容でした。

続いて阪上氏からは、TECを用いた軟骨再生の臨床結果を受けて培養・作成した、gMSC移植による膝軟骨再生治療の治験実施に向けた方法・デザインについてご発表いただきました。人工関節の需要や軟骨再生における課題等の現状から事業化を目指すに至る背景・そして今後の展望まで一連の流れがわかり、まさにこれから治験を始めようとする開発企業側からの経験に基づく内容であることからも貴重な機会となりました。

今回は整形外科学及び再生医療分野から工学分野の研究者まで様々のバックグラウンドの方にご参加いただきましたが、質疑は活発に交わされ、また座長の中村先生からも加えて詳細なご説明もあり、熱気溢れるセミナーとなりました。

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