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セミナー

2018.1.30 [tue]

第17回 最先端医療イノベーションセンター
定例セミナーを開催いたしました。

1月18日(木)に先進心血管再生医学共同研究講座 特任准教授 李鍾國先生のお世話で、第17回最先端医療イノベーションセンター定例セミナーを開催いたしました。今回のセミナーは、「生細胞イメージングの新しい世界:細胞内生体分子からオルガノイドまで」をテーマに、同講座世話教員の循環器内科学 坂田泰史教授による司会のもと、李先生と㈱SCREENホールディングスの小林正嘉先生、理化学研究所 生命システム研究センターの渡邉朋信先生にそれぞれご講演いただきました。

李先生からは、「生きた細胞・組織・臓器のイメージング~創薬・再生医療に利用可能な基盤技術の開発」についてご講演いただきました。李先生は、企業との共同研究開発を積極的に推進されていますが、その中の一つとして心疾患の病態を培養皿上で再現することを目指しており、生理的な状態での生細胞イメージングを行うには、基盤技術開発の早期実現が望まれる、とお話しいただきました。

続いて小林先生からは、「OCT技術を用いた3次元培養組織イメージング装置の紹介」についてご講演いただきました。㈱SCREENホールディングスでは新規事業としてライフサイエンス分野に力を注いでおり、細胞形態解析イメージングシステムも主力製品のひとつとして、その特徴についてご紹介いただきました。OCT画像は、形態だけでなく濃淡情報からも有用な知見が得られるので今後はこの面でも解析を進めたい、との抱負をお話しいただきました。

そして渡邉先生からは、「先端光イメージング技術の医学応用への試み」についてご講演いただきました。渡邉先生の研究チームは、顕微鏡開発技術と幹細胞培養技術とを同時に保有した国内で類稀なるチームで、光学イメージング技術の開発やその技術の医学応用について取り組まれています。今回は、「散乱光の有効活用」と、「光の欠点の克服」の2つをポイントに様々な研究データを挙げながらわかりやすくご説明いただきました。ラマン散光スペクトルによって、細胞の種類、分化状態、活性化などが非染色で識別可能となり、これによりきわめて非侵襲に近い状態で生細胞イメージングが可能であるとのことで、更なる応用展開への期待を伺わせる内容でした。

この日は非常に寒い日であったにも関わらず会場は満員で、モデレータの坂田教授のもと、参加者からの質問が絶えず、閉会後も熱心な議論が続き、生細胞イメージングに対する関心の高さがうかがえるセミナーでした。

次回以降の開催日程
第18回:臨床腫瘍免疫学共同研究講座 和田尚先生のお世話で4月26日(木)に開催予定

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