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セミナー

2018.7.27 [fri]

第20回 最先端医療イノベーションセンター
定例セミナーを開催いたしました。

7月19日(木)に大阪大学理事・副学長の吉川秀樹先生のお世話で、第20回最先端医療イノベーションセンター定例セミナーを開催いたしました。今回はスポーツ医学 教授の中田研先生、整形外科学 講師の前達雄先生による司会のもと、「生体力学的手法を用いた手術手技・機器の開発」というテーマで、正風病院整形外科の井内良先生、スミス・アンド・ネフュー㈱の永瀬城氏、大阪労災病院整形外科の橘優太先生、そして、行岡病院整形外科の信貴厚生先生にそれぞれご講演いただきました。

まず、吉川先生による開会のご挨拶の後、前先生から関節鏡視下再生医療手術治療器械の研究開発を目的とした教室の研究活動について、力学試験機、6自由度関節シミュレーター等、機器の説明も交えてご紹介いただきました。

続いて、井内先生、永瀬氏から、「前十字靭帯再建術における移植腱固定材料の開発 —力学強度評価」と題して、研究開発された移植腱固定材料BTFの概要および生体力学的特性について、研究データを用いて詳しくご説明いただきました。今後の展望としては、既存の固定材と比較し、実際の臨床使用での効果評価を行いたいと語られました。

橘先生からは「6自由度関節シミュレーターを用いた損傷半月板の荷重計測」と題して、関節の自然な動きが再現可能な6自由度関節シミュレーターを用いて、膝半月板の負傷による半月板荷重及び膝動態への影響をご解説いただきました。今後、圧フィルムセンサーとの併用をすすめることにより半月板と関節にかかる変化を同時に計測できるようになることが期待でき、また、縫合術後の半月板荷重解析することにより、より優れた縫合術式、デバイスの開発につながるとの展望を述べられました。

最後に、信貴先生からは、「肘関節鏡視下骨棘切除術におけるnavigation技術の応用」として、変形性肘関節症の手術において、コンピューターシミュレーションによる術前計画にnavigationのプロトコールを作成し、その精度を検証したことが報告されました。肘関節鏡navigationは高精度で可能であり、経験の少ない術者でも簡便正確に病変の切除が可能になるとご説明されました。

今回は整形外科から工学分野の研究者まで多くの方に参加いただきました。座長の先生方も、ハードとソフトの両面の進化により、今後の研究テーマ、方法において様々な展開が期待されると語られ、白熱したセミナーとなりました。

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