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研究活動

2016.12.27 [tue]

大倉 永也 特任教授が参画する研究グループの論文が
Nature Immunologyに掲載されました

大倉 永也 特任教授(基礎腫瘍免疫学)らが参画する研究グループ(※1)の論文が12月20日(火)1時(日本時間)付で「Nature Immunology」(オンライン)に掲載されました。
※1 免疫学フロンティア研究センターの坂口 志文 特任教授らの研究グループ

当研究グループは、これまで不明であった、制御性T細胞の機能発現に必須なマスター転写因子(※2)であるFoxp3の発現誘導メカニズムについて解明しました。
※2 マスター転写因子
転写因子とはDNAに結合し遺伝子発現をコントロールするタンパク質で、どのような転写因子が出ているかによりどのような機能を持つかが決まる。マスター転写因子はその中でも特に重要とされ、細胞の分化・発生を司る。

研究成果のポイント(大阪大学プレスリリースより)

●制御性T細胞のマスター転写因子がFoxp3であることは同定されていたが、
どのようにFoxp3が発現し制御性T細胞が発生するかは不明だった。

●今回、ゲノムオーガナイザーSatb1による特別なエピゲノム(※3) の
成立が制御性T細胞の発生に必須であることを解明

●今後、本メカニズムを更に研究することで、自己免疫疾患やアレルギーの病因を理解し、
これらの疾患を根本的に治療することが可能に

※3 エピゲノム
遺伝子配列はすべての細胞で同じであるが、細胞によって違ったパターンの修飾がDNA配列やヒストンにつく。
このようなパターンをエピゲノムと呼ぶ。
転写因子とエピゲノムとが協調して働き、細胞ごとに異なった遺伝子発現コントロールを行う。

研究成果の詳細については、下記の大阪大学のプレスリリース全文をご参照ください。

プレスリリース:http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2016/20161220_3

論文:

Guidance of regulatory T cell development by Satb1-dependent super-enhancer establishment
http://www.nature.com/ni/journal/vaop/ncurrent/full/ni.3646.html

著者名:

Yohko Kitagawa, Naganari Ohkura, Yujiro Kidani, Shimon Sakaguchi, et al.

リンク:

免疫学フロンティア研究センター
http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/
基礎腫瘍免疫学共同研究講座
http://www.comit.med.osaka-u.ac.jp/jp/project/projectA05.html

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